ホセインといえば、まず思い浮かべるのが「ガキの使い」の名物キャラクター「今夜が山田」だろう。番組に初登場したのは25年ほど前。医師に扮したホセインが、患者役の相手に対し「今夜が山だ」とつぶやくだけの演出。これがダウンタウンに大ウケした。

「当時は『今夜が山だ』という言葉は聞いたことがありましたけど、意味をまったく理解していませんでした。日本語もあまりしゃべれなかったですし、バラエティーのことも全然分からなかったので、初めて演出を聞かされた時は、正直これの何が面白いのか、ピンとこなかったですね(笑)。でも、いざ、本番が始まるとセリフを言うたびに、松本さんや浜田さんが何度も笑ってくれて(笑)。すごく嬉しかった。プロデューサーから『すごいよかったよ!』って、出番が終わった後に、声をかけてもらったのも覚えています」

 ホセインのおぼつかない日本語と絶妙なタイミングと表情で繰り出されるセリフに、ガキ使メンバーがおもわず笑ってしまうというシーンは、もう番組ではおなじみだ。ブレイクの影響からか、地方のお祭りや結婚式の余興、飲食店のオープニングイベントやクリスマスイベントなどの仕事依頼が急増。ほぼ、すべての仕事が「今夜が山だ」とつぶやくだけだったが「月収は一時、ブレイク前の10倍にも膨れ上がった」という。さらにテレビ局に足を運べば、共演する芸能人から「あー山田さん!」と声をかけられる機会も増え、あまりの状況の変化に戸惑うことも少なくなかった。

 大晦日の「笑ってはいけないシリーズ」でも「温泉宿」「高校」「警察」「スパイ」などの回に出演。いずれも大爆笑をさらった。しかし、そんな「笑ってはいけないシリーズ」も新型コロナウイルスの影響もあり、今年は休止となった。日本テレビで、大晦日に別番組が放送されるのは実に15年ぶりだという。収録に参加した経験のあるタレントやお笑い芸人によれば、現場は緊張感に包まれ、相当ピリピリした状況だと聞く。実際はどうだったのか。

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