競馬好きの男性編集者によると、最近の競馬場はコロナ下で入場制限されているにもかかわらず、「おじさんより若い女性やカップルが目立つ」という。競馬に関する調査でも20代女性の4割は競馬に関するコンテンツに触れたことがあり、15%が馬券を購入したことがあるという。地方競馬場には放課後の制服姿の女子高生の姿まで……。競馬に若い女性を引き付ける背景には何があるのか。識者や競馬関係者に話を聞いた。
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調査メディア「STRATE」が、20~29歳の男女400人を対象に「競馬に関するアンケート」を実施すると、「競馬に関するコンテンツを視聴・利用したことがある」と回答した20代女性は41.5%に上ることが分かった。「馬券を実際に買ったことがある」20代女性も15%いた。
競馬メディア『Pacalla(パカラ)』編集部の鑓(やり)由希子さんによると、「女性の競馬人気は昨今急にというよりは、じわじわと関心が高まってきた結果」だという。
「2013年頃から、JRAは『UMAJO(ウマジョ)』という若い女性向けの施策を始めていて、その成果が表れてきた結果だと思います。それまでは、女性が競馬のポジティブな情報に触れることは少なかったのですが、CMや女性誌とのタイアップ、女性タレントの競馬予想など、メディアを通して触れる機会が徐々に増えてきました」
さらに、インスタグラムなどのSNSが普及したことにより、これまで女性が立ち入りにくかった競馬場の様子が開かれ、情報として目に触れやすくなったことも大きい。競馬場でも女性を呼び込むために「映え」を狙った工夫をしているようだ。
「JRAの競馬場には女性専用のリラックススペース『UMAJO SPOT』があり、ワンドリンクのサービス等があります。また、食べるのがもったいないくらいかわいい馬をモチーフにしたケーキの販売なども。他にも内馬場で行われるグルメイベントや、東京競馬場ではアンダルシアンのホースショーも女性に喜ばれることが多いです」(鑓さん)