そこで、AERA dot.では「珍名馬レース」と称して、インターネット上で好きな珍名馬をアンケートを行った(期間は11月16日~12月20日、回答数は111)。回答者は男性6割、女性4割となり、ここでも女性の関心の高さがうかがえた。年代別には20代と40代がそれぞれ27%、50代が23%、30代が17%だった。
アンケート結果は、「オヌシナニモノ」と「スモモモモモモモモ」が、それぞれ15票を獲得して同列1位。「オヌシナニモノ」を選んだ理由としては「初めて聴いた時、時代劇ファンの実況アナが叫んでいると思って大笑いしたから」(40代女性)などが挙がった。「スモモモモモモモモ」を選んだ人からは「名前はかわいいのに、一般人でも言いにくいから、実況アナはもっと大変だろうな。レース実況される方々をねぎらいたくなる」(50代女性)といった声が寄せられた。
「オヌシナニモノ」の馬主であるニットー商事の社長占部恵太さんは、「選んでもらえてうれしい」と語り、名前の由来をこう明かす。
「馬が生まれた当歳時、見た瞬間にすごみを感じました。前日に見た時代劇が頭をよぎり、その時の感動をそのまま馬名にしました」
一方、「スモモモモモモモモ」の馬主である井上久光さんは馬名をつけた時のことをこう振り返る。
「職場にスモモ(本名)という名前の若い女性がいて、たまたまスモモちゃんから『私の名前をつけて』と言われたんです。『スモモ』や『モモ』は既にいる馬名で、馬名審査に通らないだろうと思い、昔からある早口言葉の『スモモも 桃も桃のうち』から8個の『モ』をつけました。ちょっと実力は足りない馬ですが、名前でみんなから愛されていて、とても感謝しています」
26日には1年の締めくくりとなる「有馬記念」が開催される。有馬が引退レースとなる5歳牝馬の「クロノジェネシス」が有終の美を飾れるか注目が集まっている。今年の競馬界は最後まで「女性」が中心となりそうだ。(AERA dot.編集部 岩下明日香)