地方競馬の大井競馬場(東京都品川区)では、3年前から冬季限定で大規模なイルミネーション「東京メガイルミ」を開催。都心からアクセスしやすく、敷地の広い野外なのでコロナ下でも密を避けながら楽しめるスポットとして人気となっている。平日は学校帰りで制服姿の女子高生やカップル、休日はファミリーでにぎわうなど広い層に親しまれている。
東京都競馬株式会社のイルミネーション事業推進室の担当者は言う。
「競馬場といえば、カップ酒に赤鉛筆を耳にかけながら競馬新聞を握りしめる中高年男性が集まる場所というイメージでしたが、ここ数年は若年層や女性のご来場も多くなってきています。イルミネーションを機に競馬場がどういうところかを知ってもらい、認知度向上やイメージアップにつながっていければと思っています」
また、「ネット流行語」大賞にもなったゲーム「ウマ娘」の大ヒットも追い風となっている。ゲームエイジ総研が4月に発表した調査によると、「ウマ娘 プリティーダービー」のアクティブユーザーは206万人おり、男女比は88:12で、約25万人もの女性ユーザーがいることがわかっている。女性にとっては、ゲームが競馬との最初の接点になっていることも考えられる。
鑓さんによると、競馬に興味を示す女性はそもそもスポーツ観戦好きな場合も多いという。
「私に『競馬場に行ってみたい、連れてって!』と声をかけてくれる女性はスポーツ観戦が好き、特に野球好きの女性が多い気がします。私はもともと『馬が好き』から競馬に入っていますが、G1でのスタンドの一体感はスポーツ観戦としての魅力を感じますし、競走馬を“推し”のスポーツ選手みたいな感じで応援している女性は多くいると思います」
■ベストオブ珍名馬に選ばれたのは?
もうひとつ、競走馬らしからぬポップな馬名が増えていることも、競馬ファンの裾野を広げているのかもしれない。「オニャンコポン」「オレデイイノカ」「ナオミニデレデレヤ」などの一風変わった名前の競走馬が活躍し、若者を中心に度々SNSで話題になっている。