フィギュアスケートで世界を極めた羽生結弦さん。その羽生さんの競技人生を詰め込んだ『羽生結弦 飛躍の原動力』(AERA特別編集)を13日に発売しました。この本には、プロ転向後の今の思いを語った独占ロングインタビューが収録されています。発売を記念して、このインタビューを担当した朝日新聞スポーツ部の後藤太輔記者とAERA編集長の木村恵子が「#アエライブ」で対談した内容を3回に分けてお届けします。全3回の2回目。
【羽生結弦を10年取材してきた記者が語る「初めて知った意外なこと」】から続く
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木村恵子(以下、木村):「対面したり、会話しないとわからない印象や存在感を教えてください」という質問もきています。
後藤太輔(以下、後藤):本当に楽しそうにしてくれるので、取材のときはあまり「存在感」を感じさせてくれないんです。今回は僕もすごく久しぶりの取材だったので緊張していたし、ちゃんと話を聞き出せるかなと思っていたのですが、羽生さんは、インタビューする私たちをリラックスさせようというか、話しやすい雰囲気にしてくれるんですよね。なので、誰がインタビューをしても羽生さんの言葉で良いものになると思うし、緊張する必要はなかったな、と。
木村:私も撮影に立ち会いましたが、羽生さんと平場で喋ったり、インタビューでお話を聞いていると本当にリラックスした雰囲気で。緊張でこちらがカチカチになっちゃうということはなかったですね。ただ、撮影のときはちょっと違って。カメラの前がステージだとすると、そこに立つとまた存在感が違うというか。オーラがぶわぁっと出る。その差にびっくりしました。
後藤:(スイッチが)入りますよね。オンとオフがある。あと、指示を待つんじゃなくて、自分で動いてポーズを作ってくれましたよね。
木村:そうでした。次はちょっと難しいかも。「羽生さんのように、相手の言葉の意味を逃さず聞く姿勢の方に取材するときに怖さはありますか」という質問です。