「上下左右360度の動きがあり体力的にすごくキツいですが、格好いいプログラムです。つい僕のクセでなめらかな動きが出てしまうのですが、バッと手足を動かしてアクセントを使えるよう意識しています」
■友野は2種類の4回転
この2強に挑む日本男子は、まず22年世界選手権6位の友野一希(24)=フランス杯、NHK杯=がいる。
「昨季は、自分の中で厚い壁が少しだけ砕けて光が差したイメージでした。世代は変わっていっても、経験を生かした戦い方で僕もついていきたい」
軽やかな演技力には定評がある。4回転の本数を増やすことよりも2種類の4回転をしっかりと決めて、プログラム全体で高い評価を得ることを目指す。
山本草太(22)=フランス杯、NHK杯=も自分らしいスケートを求めて戦い続けている。このオフは4回転フリップも練習し、9月の中部ブロックで初挑戦した。
「しっかりと4回転フリップに挑戦できたという意味で収穫になりました。10月以降は無理せず4回転3本にして、プログラムの完成度を求めていきたいです。ステップやスピンをしっかりやれば十分に高得点は狙えると思います」
そう自信を見せるだけあって今季のフリーは山本の代表曲になりそうな魅力があふれる。ラフマニノフのピアノ協奏曲第2番を、10年バンクーバー、14年ソチ両五輪代表の鈴木明子氏が振り付けた。
復活が期待されるのは、今年2月に左肩の手術を受けた佐藤駿(18)=イギリス大会、フィンランド大会。ジュニア時代から4回転ルッツを含む3種類の4回転をプログラムに組み込んできた鬼才だ。7月から4回転の練習を再開している。
「まずは去年までと同じくフリーで4回転3種類4本を目標にしています。シーズン通してけがなく終わりたいということと、全日本選手権で表彰台に上がれるよう、GPシリーズから頑張ります」
そして今季が本格的なシニアデビューとなる三浦佳生(みうらかお・17)=スケートアメリカ、スケートカナダ=は爆発力がある。昨季は全日本選手権で4位に入り、シニアの四大陸選手権でも3位。繰り上げ出場が回ってきた世界選手権は左大腿(だいたい)筋の肉離れで欠場したものの、オフに完治させて勢いづいている。