「私があれこれ口を出す方なので、『親にガタガタ言われて何も思わないの?』ときいたら、『何か言ってもお母さんがもっと言い返して終わるだけじゃん』と。私がこういう風に育ててしまったんだと、申し訳ない気持ちになりました」
あきこさんは反省して、自分で考えて行動できる子になってほしいと、改めていろいろと教え始めました。脱ぎっぱなしだった制服をハンガーにかけられるようになった息子を見て、成長を感じています。
プロジェクトを通して1番変化したのは、娘との関係。今までは文句を言い合っていたと思っていたのに、いつの間にか意見の交換ができるようになっていたのです。
「もともと自分の考えをしっかり持って伝えてくれていたのに、私が口ごたえだと思っていたんですね。でも、今は私が迷ったときに意見を求めるほど頼りにしています。私が変わったから、娘も変わってくれました。」
娘も頼られることがうれしいようで、積極的に助けてくれるようになりました。ずっと反抗期で手がつけられないと思っていた娘が、今ではかけがえのないバディのような存在だと言います。
夫はあきこさんがやることに口出しをせずに見守ってくれるので、あきこさんは今後の自分の人生をどうやって楽しもうかと思いを巡らせています。
「これまで、自分の時間は100%すべて子どもに捧げなければいけないと思い込んでいました。でも、子どもは成長するにつれて少しずつ手が離れていきます。家もきれいになって時間が増えたときに、『自分も楽しんでいいんだ!』と気づけました」
前職が保育士だったあきこさんは、いつかまた子どもに関わる仕事をしたいと考えるように。子育てしているママは、「小さな子がいるから」とやりたいこともあきらめてしまう。そういうときに助けてあげられる存在になりたいと話してくれました。
「あとは、大変な時期にたくさん助けてくれた両親と妹に、恩返しがしたいです。自分の家族が大好きなので、これからいっぱい楽しい時間を共有したいですね。片づけを決めたときもそうですが、『今がそのタイミング』という気持ちを大切にしたいです」