データ野球をぶち壊す村上宗隆　東尾修「天井知らず。60号目指せ」

　本来ならば、どこかで壁にぶち当たり、そこで自らの技術を見つめ直し、再構築してさらにスケールアップしていく。しかし、彼の成長曲線は右肩上がりで、まったく停滞する雰囲気がない。まさに天井知らずだ。

　村上はここまで犠飛は「0」だという。どのボールに対しても自分のスイングを貫いている結果だと思う。走者が三塁にいて、当てて最低でも犠牲フライという考え自体がない。野球界にはびこる常識というものも、すべて吹き飛ばしていってもらいたい。

　村上を抑えるのは誰になるのか。

　個人的にはオリックスの山本由伸が面白いと思っている。150キロを超えるカットボールは、手元まで直球に見えて、最後に体に食い込んでくる球。手元まで変化を見極めにくい。山本が村上のリズムを崩し、その後、村上がどう修正していくのかは注目だ。そういったことを今から考えさせる存在になった。

　村上を中心に日本プロ野球界は回り始めている。

東尾修（ひがしお・おさむ）／1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代（95～2001年）に2度リーグ優勝

※週刊朝日 　2022年10月7日号

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東尾修

東尾修（ひがしお・おさむ）／1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代（95～2001年）に2度リーグ優勝。

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