AERAの連載「はたらく夫婦カンケイ」では、ある共働き夫婦の出会いから結婚までの道のり、結婚後の家計や家事分担など、それぞれの視点から見た夫婦の関係を紹介します。AERA 2022年9月19日号では、ヤクルト本社の開発部で課長を務める渡邉治さん、損害保険ジャパンの神奈川保険金サービス部で課長代理を務める披田麻衣子さん夫婦について取り上げました。
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夫、妻ともに33歳のときに結婚。10歳の長男と3人家族。
【出会いは?】妻の幼なじみだった夫の学生時代の友人を通じて知り合う。
【結婚までの道のりは?】初対面から5年後に再会。お互いに結婚を意識しながら交際を始め、2年後に結婚。
【家事や家計の分担は?】料理は妻、洗濯は夫。掃除や育児は、時間を融通しながら分担。生活費は共働きができなくなる不測の事態に備え、夫の給与でまかなっている。
夫 渡邉治[44]ヤクルト本社 開発部 課長
わたなべ・おさむ◆1978年、神奈川県生まれ。2003年、東京工業大学大学院総合理工学研究科修了。ヤクルト本社入社
2度目に会ったとき、紹介してくれた友人に「面白い人だね」と話したことは覚えています。周囲に流されることなく、自分をしっかり持っていて、それでいて雰囲気がやわらかい。話も面白くて、出会ったことのないタイプでした。僕が周囲を気にするほうなので、よけい印象的だったんだと思います。
交際を始めたときから、「結婚するんだろうなぁ」と思っていましたが、はっきりと決めたのは、病気を患っていた母が亡くなったときです。家族を持つことを真剣に考えるようになりました。
結婚してから今も変わらずに心地がいいのは、妻との距離感です。よく「結婚すると相手に束縛される」なんて聞きますよね。僕たちにはそれがありません。一人で過ごしたり、友だちと過ごしたりする時間も、お互いに尊重しています。それもごく自然に。毎日が独身時代の生活に家族で過ごす楽しさが加わった感覚なんです。たぶん、僕と妻は人に対する距離の取り方が似ているんでしょうね。