休日に使えるお得な切符はないものか。鉄道ジャーナリストの東香名子さんは「2022年夏と秋のシーズンにJRから発売されているものでは、『北海道&東日本パス』がすごい。あまりのお得さに感動の涙がでるほどだ。JR西日本から発売された変わり種の切符もお得すぎて鉄道ファンがざわついている」という――。
定番は「青春18きっぷ」
夏休みやシルバーウィークなど長期休暇が迫り来ると、鉄道ファンたちは、こぞって旅行計画を立て始める。鉄道旅をするときの欠かせない存在といえば「お得なきっぷ」だ。エリア内フリーパスはもちろん、旅先の施設がお得になるもの、食事が楽しめるものまで、各社さまざまな切符を発売しており、旅好きの人や筆者のような乗り鉄の鉄道ファンの強い味方だ。
こうしたお得な切符は、通年発売されているものがほとんどだが、今回は2022年夏と秋のシーズンにJRから発売されているものをいくつか紹介しょう。まずは「青春18きっぷ」。JR全線が乗り放題になる切符で、春・夏・冬に発売される。発売額は5日分で1万2050円。利用は連続した5日間である必要はなく、期限内であればどの日に使ってもいい。また1人で5日分使ってもいいし、1日分を5人で分けてもいいのが、青春18きっぷの特徴だ。
ただし、乗り放題にはなるが、新幹線や特急列車は利用できない。つまり各駅停車や快速にしか乗れないと理解しよう。
熱海に行くのも房総半島に行くのも、やっぱりお得
青春18きっぷは、単純計算で1日2410円以上かかる場所に行けばお得になる。たとえば5人グループで東京から熱海に日帰りで行ってみよう。東京―熱海は往復で3960円。通常より1550円お得になる。
より乗り鉄気分を楽しみたいなら、房総半島一周コースもいいだろう。東京から総武線や京葉線で千葉へ、そこから外房線と内房線に乗り、房総半島を縁取るように旅するコースだ。途中、安房鴨川で寿司を食べたり、館山の「くじら弁当」という珍しい駅弁を買ってもいい。東京から安房鴨川、館山で途中下車して東京に戻ってくる場合、運賃は5210円。通常より2880円お得になる。
長距離の乗車に慣れてきたら、距離を延ばし、東京から名古屋まで行ってみるのもいい。片道6時間ほどかかり、旅慣れている筆者でも連続乗車はかなりきつい。毎回座れるという保証もなく、シーズンはキッパー(18きっぷを利用する人々)で混んでいるだろう。
だが途中下車など、うまくプランニングすれば楽しい旅になる。東京を出発し、熱海で足湯につかり、沼津で寿司を食べ、静岡でサウナに入り、浜松でうなぎを食べるなど、上手にリフレッシュしながら名古屋までの道中を楽しもう。
青春18きっぷ2022年夏季用の発売は8月31日まで。利用は2022年9月10日までとなっている。