歌手を目指していたというコウメ太夫さん(撮影:写真映像部・高橋奈緒)
歌手を目指していたというコウメ太夫さん(撮影:写真映像部・高橋奈緒)
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 「エンタの神様」で注目されたお笑い芸人のコウメ太夫が、NHKドラマなどに出演し俳優としても注目され始めている。芸能一家に生まれ、歌手、俳優、お笑いとあらゆる芸能活動を経験してきた。挫折と復活の連続の人生と、白塗りの下にある素顔に迫った。

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――そもそも、芸能関係に進んだのはどういう経緯があったのでしょうか。

 最初は歌手を目指していたんです。だけど、子どもの頃の声変わりのとき、音楽の先生から「声が出ていないし、その声じゃ厳しいわ」と言われて。どうしようかなと思っていたら、芸能の仕事をしていたおふくろから「劇団に通いなさいよ」と言われて、それで劇団に入ったんです。小学校の頃でしたね。

 それで役者の勉強をしようと「外郎売(ういろううり・俳優やアナウンサーが発音や台詞などを練習する台本)」を覚えたりしました。全部は覚えられなかったけど、発声練習したり、ちょっとした演技の真似事みたいなことをしたりしていました。そんなことをして4年間経ってやっと仕事が来たのですが、「中学生日記」(1972年から2012年まで放送されたNHKのドラマ)のエキストラだけでした。

――結局、その時は役者の仕事はそれだけだったんですか。

 やっぱり歌がやりたいと思うようになって。大学に入ったとき、HBC北海道放送の歌自慢の募集があって、オーディションを受けたんです。20歳までの年齢制限があったので、ギリギリだったと思います。そうしたら準優勝したんですよ! それで大学の友人たちと大騒ぎして、ディスコに行って踊りまくって、お酒をじゃんじゃん飲んでしまった……。

 次の日にHBCで歌ってくださいと呼ばれてたんですが、体がぜんぜん動かなくて、現場に行けなかったんです。甘えていたんですね。そんなことしたら、二度と仕事なんか来ないのに。ガキだから知ったこっちゃない。旭川の駅でやると聞いていたので、気になってお昼過ぎに、こっそり近くまで行ったんですが、現場を見ずに帰ってきました。無茶苦茶怒られるだろうなと思いました。

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「CDを出してみようか」と