コンサートは幕を引いたものの、その後も8月6日に山本さんら3人が倉掛のぞみ園を訪問し、ボランティアライブを続けていたのは前述の通り。
その一方、白鴎大学では環境問題を中心に教えていたが、「時事問題を通じて平和についても学生に考えてもらっている」と山本さんは話していた。
「暴力は一人ひとりの心に潜んでいると思うんです。だから、まずは平和の心を持つことが大事。平和な心、それはお互いに違いを認め合い、与え合う心じゃないですかね」(山本さん)
ロシアのウクライナ侵攻から5カ月。日々の戦況をニュースで知り、山本さんはさぞかし心を痛めていたであろう。
南さんは、自身のHPにアップした追悼文にこう記している。
「彼はいつも弱い人の立場から、社会の不公平感を自問自答しながら笑顔で生きていたイメージがあります。出会って52年、また一緒に歌いたかったです。お悔やみ申し上げます」

(高鍬真之)
*週刊朝日オンライン限定記事