ちなみに、腰部脊柱管狭窄症の場合は座ったらこれらの症状が改善することが多いが、末梢動脈疾患の場合は座っても改善しない。

「腰部脊柱管狭窄症の患者さんには高齢の方が多く、末梢動脈疾患を合併していることがあります。あくまで当院のデータですが、約2割は合併しています。末梢動脈疾患の主な治療法も薬物療法で、リマプロストが使われています。それを試しても改善せず、日常生活に支障がある場合、安静時に痛みが出る場合、足先の色が変わったりした場合は、足へいく血管を広げる経皮的血管形成術という手術をあわせておこなうことがあります」(川西医師)

 末梢動脈疾患で足の血管が細い人は全身に動脈硬化が生じていることが多く、動脈硬化自体への予防・治療が必要だ。この場合、高血圧、糖尿病、脂質異常症などが隠れていることが多い。

「脳梗塞、心筋梗塞が起きることがありますので、高血圧、糖尿病、脂質異常症の検査とともに、脳や心臓の血管も検査したほうがいいでしょう。とりわけ高血圧や糖尿病のコントロールが大切です」(同)

腰部脊柱管狭窄症を含む首腰の手術数については、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院2023』で、全国の病院に対して独自に調査をおこない、手術数の多い病院をランキングにして掲載している。ムックと連動した特設ページを無料公開しているので参考にしてほしい。https://publications.asahi.com/mp/goodhospital/

(文・小久保よしの)

週刊朝日  2022年1月21日号

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