その他、投手ではロッテで活躍した救援右腕の薮田安彦もメジャーで力を発揮できなかった一人。渡米前の2007年には58試合に登板してパ・リーグトップの34ホールド、防御率2.73と安定した投球を披露し、同年のオフに元日本ハムのヒルマン監督率いるロイヤルズと2年総額600万ドル(約7億円)で契約を結んだ。しかし、1年目に1勝3敗、防御率4.78と苦しむと、翌年はオープン戦で7試合に登板して防御率8.53と低迷し、開幕をマイナーで迎えることになった。
その後8月後半にメジャーに昇格するも、シーズン2試合目の登板で2/3回を5失点と炎上するなど、日本時代のようなピッチングは見せることができず。その年の防御率は13.50と前年より悪化し、3年目はロイヤルズが選択権を持つオプション契約となっていたが行使されることなくメジャーでの挑戦を終えている。
リリーフピッチャーではロッテなどで活躍した小林宏之も“メジャーの非情さ”を味わった選手だ。小林は2012年のオフに阪神から戦力外となると、翌年の2月14日にエンゼルスとマイナー契約。春季キャンプに招待され、メジャー昇格を狙いオープン戦では3試合に登板。4イニングを2失点、防御率4.50という内容だったが、翌月4日にチームから解雇。わずか2週間あまりの在籍となってしまった。
また、メッツとマイナー契約を結んだ高橋建(元広島)はメジャーまで見事に這い上がり、28試合に登板して防御率2.96とそれなりの結果を残したが同年のオフに解雇されている。他の選手との契約などの兼ね合いがあるとはいえ、これだけ短い期間で見切られてしまうメジャーリーグの厳しさを物語っている。
小林などと違いメジャー契約を結びながら1試合もメジャーの舞台に立てなかった選手も存在する。投手では水尾嘉孝(元オリックスなど)、森慎二(元西武)、入来祐作(元巨人など)、野手では中島裕之(現巨人)の4人の日本人プレイヤーだ。