(週刊朝日2022年1月28日号より)
(週刊朝日2022年1月28日号より)

 ここまですれば「家計の長期予想表」に落とし込める(ステップ4)。最初はごく大ざっぱなものでよい。終点は当然「100歳」だ。

 パソコンを使える人はエクセルで比較的、簡単に作成できる。ポイントは、退職金などの一時的な収入を忘れずに記入し、自動車購入や海外旅行などの一時的な支出の頻度を自分で決めて記入することだ。

 表ができたら「資産残高」が途中でマイナスに転じていることを確認し、同時に100歳まで生きたときのマイナス金額を記録しよう。そのマイナスの金額こそ、先に挙げた、さまざまなパーツを使って生み出していかなければならない部分になる。

 あとはパーツを使って自分なりの対策を考え、それを数値化して長期予想表を作り直していく。生活費を切り詰めたり、潤いの費用をなくしたりするのは、みじめになるので極力避けたい。それよりは、長く働いて収入を増やし、その間は生活費が稼げるので年金繰り下げで年金額を増やすなど、使えるお金を増やすポジティブな方策を考えよう。

 100歳でプラスになれば対策は成功だ。後は、その対策を実行に移せばよい。

 1回作って終わりではなく、定期的に点検することも大切だ。マネーのことを考えるようになると、日々の生活でさまざまな「気づき」を得られるはずだ。それをどんどん長期予想表に反映していくのだ。

 こうした作業の先にこそ、豊かな老後が待っている。

◆「家計の長期予想表」、慣れてくれば「本格バージョン」に挑戦を!

 ここまでは、「家計の長期予想表」の簡易版を扱ってきた。支出を「生活費」と「一時支出」の2項目に絞り、一時支出も「3年に1回、100万円」とするなど、家計を大ざっぱにとらえてきた。

 しかし現実の生活は、やはりもう少し「リアル」だ。支出は項目を増やし、「何に」「どれくらい」使っているのかを「見える化」したい。そうすれば、知らない間に使いすぎになっている項目に気づきやすくなる。家計を腑分けすることが「生活改善」につながるのだ。

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