山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
山本佳奈(やまもと・かな)/1989年生まれ。滋賀県出身。医師
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 日々の生活のなかでちょっと気になる出来事やニュースを、女性医師が医療や健康の面から解説するコラム「ちょっとだけ医見手帖」。今回は「“PCR検査は隔離されるから困ると言った”外来患者のその後と日本の現状」について、NPO法人医療ガバナンス研究所の内科医・山本佳奈医師が「医見」します。

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「オミクロン株」の感染が、急拡大しています。Our World in Data のデータによると、1月20日時点の新規感染数は、3万465件。イギリスや南アフリカでは、コロナの感染がピークアウトしたという報道がありましたが、日本は、まだまだ感染者数が増えそうな勢いです。

 外来診療の現場では、「コロナが心配で……」とおっしゃる方もいれば、「コロナの検査はするなと会社から指示を受けている」という声や、「コロナが出ると困るから、検査はできない」という方もたくさんいらっしゃいます。コロナ検査をしたくない人は、そもそも病院を受診しないし、検査センターにも行かないでしょうから、感染者数は把握できているよりもはるかに多い可能性が十分に考えられます。

 それに加えて、日本におけるコロナの検査数は海外の国々と比較すると圧倒的な少なさであることも指摘されています。Our World in Data のデータによると、日本における1日当たりのコロナの検査数は1000人あたり1.13件(1月19日時点)です。アメリカは1000人あたり5.68件、イギリスは1000人あたり20.38件、イタリアは1000人あたり18.14件ですから、日本で実施されているコロナの検査数がいかに少ないか、お分かりになるのではないでしょうか。

これらのことを考慮すると、私たちは、コロナの感染状況を十分に把握できていないと言わざるを得ないのではないでしょうか。

 前回、肥満や高血圧を既往歴に持ち、新型コロナワクチンも未接種だったAさんが、発熱と倦怠感を認め、翌日には新型コロナウイルス感染症(Covid-19)とわかり、即日入院となった事例をご紹介しました。(※前回の記事はこちら→PCR検査は「隔離になったら困る」と外来患者に言われ女医が思ったこと

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結果、PCR検査をしてよかった