ユニクロは、平野歩が二刀流への挑戦を表明した2018年にアンバサダー契約を結んだ。「誰もやったことがないことに挑戦したい」という姿勢に共感し、サポートを始めたという。
競技用ウェアも一緒に開発。担当デザイナーによると、平野歩は「少しでも高く飛ぶために、軽くてゆとりがあるウェアがいい」というこだわりを持つ。同社はそれに応えるため、グラム単位、ミリ単位で調整してきた。五輪では日本代表指定の別メーカーのウェアを着用するが、普段の練習やXゲームズなどではユニクロのウェアを着てきた。
海外遠征などにも同行する担当者によると、平野歩から後ろ向きの言葉を聞いたことがなく、不利な状況でも前進する強さを感じるという。同社スポーツプロジェクトチームの文原徹部長(48)はこう語る。
「東京五輪を経て雪上では挑戦者に転じたが、ここにきて二刀流の挑戦への答え合わせがW杯の連勝やXゲームズの結果に表れてきている。北京五輪では、誰も成し遂げていない二刀流の挑戦が実を結ぶと期待しています」
(編集部・深澤友紀)
※AERA 2022年2月7日号より抜粋