次に男子は、日本と米国の首位争いをしっかりと制することが重要となる。2月4日と6日に団体戦を滑り、8日には個人戦ショートという過密日程だ。調子の面でも精神面でも、大きな影響を残す可能性が高い。
羽生結弦(27)はソチ五輪の団体戦ショートに出場し、首位に立つと、その勢いを個人戦での金メダルに結びつけた。宇野昌磨(24)も平昌五輪の団体戦ショートで100点超えを果たし、個人戦で銀メダルをつかんだ。
一方、平昌でネイサン・チェン(米国、22)は、団体戦ショートで三つのジャンプすべてをミスすると、気持ちを切り替えられないまま個人戦を迎え、ショート17位発進という悲劇につながった。慎重な人選が大切だ。
「舞台慣れ」という面からすると、初出場の鍵山優真(18)は出場が濃厚だ。試合が続くため、体力的に余裕がある若手を団体戦フリーに充てる可能性もある。鍵山は、まだ試合での成功がない4回転ループを五輪のフリーで入れると宣言している。団体戦に出ておけば力試しもできる。
米国勢は、チェンとヴィンセント・ジョウ(21)をどのタイミングで投入するかに注目が集まる。
2人ともショートに高得点の4回転フリップとルッツを入れている。特にチェンは演技後半に「4回転ルッツ+3回転トーループ」の大技を入れ、全米選手権では国内参考ながら115.39点をマークした。またショートであれば4回転を入れないジェイソン・ブラウン(27)も、演技構成点で上位を目指せる。
■アイスダンスは接戦
またフリーは、チェンが4回転5本の構成で、そのうち4回転フリップが2本。全米選手権では、1本ミスしながらも212.62点と高得点だった。ジョウも4回転5本を入れるが、成功率に波がある。2人とも平昌のリベンジとなるだけに、団体戦を好調で乗り切りたい。
男子はさらに、ロシア勢が急成長しており、気を抜けない。
1月の欧州選手権で286.56点をマークして優勝したマルク・コンドラチュクは18歳。同年齢のアンドレイ・モザリョフは、鍵山が銀だった2020年世界ジュニアの王者。ロシア男子は女子の4回転時代に牽引(けんいん)され、ここ3シーズンで4回転ジャンパーが次々と力をつけている。高得点の4回転が決まれば、上位に入ってくるだろう。