北京冬季五輪でメダルの期待がかかるフィギュアスケート団体戦。各国のライバル選手の存在、日本がメダルを獲得するキーポイントとは。「北京五輪」を特集したAERA 2022年2月7日号の記事から。
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北京五輪で3度目の開催となるフィギュアスケート団体戦。日本は今回、メダル圏内での戦いに挑むことになる。五輪の先陣を切って2月4日から開幕することもあり、日本代表選手団に勢いを与える価値あるメダルをつかみ取りたいところだ。
団体戦には10カ国が参加し、男女シングル、ペア、アイスダンスの4種目の合計ポイントで順位を競う。ロシアが金の最有力だが、日本と米国が銀メダルを争う位置につける。カナダがメダルを狙っており、日本は気が抜けない戦いだ。
まず予選で4種目のショートプログラムとリズムダンスを行い、1位は10点、2位は9点……という具合に、順位ごとに点数がつけられる。合計上位5カ国が決勝に進む。決勝はフリーを滑り、10~6点の順位点の合計で最終順位が決まる。選手の得点ではなく、順位点が重要になるため、各国の布陣がどうなるか駆け引きにも注目したい。
■脅威のロシア女子3人
女子ショートは、トリプルアクセルが鍵になるだろう。
ショートは4回転を入れられないルールのため、トリプルアクセルを決めれば一歩抜けられる。日本には今季成功者となった樋口新葉(21)と河辺愛菜(17)、ロシアには手を上げて跳ぶカミラ・ワリエワ(15)がいる。米国のアリサ・リウ(16)は成功者だが、1月の全米選手権を新型コロナウイルスの感染で途中棄権し、回復状況は未知数だ。トリプルアクセルはなくとも演技全体の質で高得点を狙えるアンナ・シェルバコワ(ロシア、17)も、首位争いに絡む力がある。
女子フリーは、ロシア勢が3人とも4回転ジャンパーで、誰が出ても超人的な得点が出ることが予想される。日本勢は、樋口、河辺、坂本花織(21)のうち安定感の高い選手を充てて、2位を狙いたいところだ。