――朝ドラに出たからこそ、自身と監督との思いのギャップをどう埋めて、役になり切るかという課題は見えた。
松村:実は、朝ドラに出たらますます演技がわからなくなってきた、という感じなんです。以前から、演技における課題は絶対たくさんあるはずなのに、見つけられていないことがたくさんあると思っていたんです。それが、朝ドラに出たことでたくさん見つかったかなと思います。
――大ブレークを果たした2021年だが、「いつ何をやっていたのかがよくわからなかった年だった」という。
松村:朝ドラのオーディションは20年にあって、撮影は21年前半、放送が後半。同時期に公開した映画は20年に撮って、21年の頭はドラマをやっていたな、という……。作品の時系列が入り組んでいたこともあってか、ここ2、3年をひとかたまりに感じます。コロナ禍に入ったというのも、あるかもしれません。
■面白いものをつくる
――今年1月5日、所属するグループ「SixTONES」のセカンドアルバム「CITY」が発売され、コンサートツアーも始まった。
松村:アルバムは受け取っていただけたら、楽しんでもらえるものになっていると思います。ただ、どうやってこちらからファンの皆さんと共有していったらいいかわからないんです。
今回、英詞が多いのですが、すごくいいことを歌っています。僕はうちのグループの歌の英詞を和訳したり、和訳された歌詞を読むのがすごく好きです。皆さんにも、手間にはなりますけど、挑戦してもらえたら、さらに楽しいかなと思うんです。僕たちから「これが和訳ですよ」と簡単に共有できたらいいとは思うのですが、読む方々が「なるほど」と納得しながら言葉を汲み取ってくださると、ものすごくすてきな時間になるのではないかな。皆さんとそれを共有できたらうれしいです。
――ツアーは5月の広島まで続く。自身の楽しみはどんなところにあるのだろうか。
松村:ツアーにとって一番の仲間といえば曲だと僕は思っていて、ツアーと同時期にアルバムを出したので、いまの僕たちは一挙に曲の仲間が増えた状態です。去年のツアーとはまた全然違うものが作れそうだなと感じています。
僕たちのツアーは、完全なアルバムツアーではなく、アルバムはアルバム、ツアーはツアーで、お互い縛りなく、本当に今のこの瞬間に一番面白いものを作るというのがテーマです。アルバムの曲はまさに今のSixTONESを表している曲です。ツアーの中ではやはり多くなりますけど(笑)。