巨人側にとっても決して悪いトレードではない。廣岡の潜在能力は誰もが認めるところで、24歳(以下、年齢は現時点でのもの)と伸びしろも残っているはず。遊撃手・坂本勇人の後継者も育てなければならない。また二塁手のレギュラーも定まらないなどセンターラインに不安を抱える中、大きな期待がされていて今年は勝負の年です」(巨人担当記者)

 昨シーズンは田口が33試合(うち先発17試合)に登板して、5勝9敗4ホールド、防御4.02。廣岡は78試合で打率.189、5本塁打、15打点と成績的にはともに目を見張るものはない。だが田口は勝負どころでの活躍とグラウンド外での影響力、また若い廣岡はさらなる成長も大いに期待でき、開幕前直前の駆け込みではあったが両チームにとって今後も意味のあるトレードになった可能性も高い。

 このように昨季は開幕直前に効果的なトレードが成立したが、今季もシーズンに影響がありそうな“電撃的なトレード”に動くチームはあるのだろうか。

日本ハム絡みの移籍がまとまる可能性があります。世代交代を進める真っ最中、今オフはノンテンダーで西川遥輝(29歳)、大田泰示(31歳)、秋吉亮(32歳)という30歳前後の主力を放出した。国内で馴染みのない手法のため拒否反応が出たのも仕方ない。しかし思い切った改革方法には球団方針が明確に表れている。中堅以上の選手はいつ移籍要員になっても不思議ではない」(日本ハム担当記者)

 3選手に関しては再契約も視野に入れたノンテンダーという説明だったが実質の自由契約。投手陣では上沢直之(28歳)、伊藤大海(24歳)、野手陣は近藤健介(28歳)という20代後半の選手を軸に、あとは若手を起用して育てることが予想される。清宮幸太郎(22歳)はもちろん、クリーンアップ候補として期待される野村佑希(21歳)など逸材は多い。そんな状況のチーム内で、トレード候補になってもおかしくない選手もいる。

「例えば中島卓也(31歳)は欲しい球団があるはず。打撃に難はあるが堅守で走れる選手。使い勝手が良く戦力になれるはず。特にセンターラインに不安がある阪神などにはハマるタイプ。将来性ある若手との交換なら日本ハムも応じる可能性はあります」(在京球団編成担当)

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