■FC東京「B」

 新たに大手IT企業のミクシィが経営権を取得。4年間続いた長谷川体制に別れを告げ、前年まで J2・新潟を2年間指揮したスペイン人のアルベル監督を招聘した中、主力の多くを残留させた上で、高さと巧さを兼ね備えて昨季9得点をマークした25歳のFW山下敬大(←鳥栖)、U-20ブラジル代表歴を持ち、降格したチームの中でも能力の高い守備を見せていた25歳のDFエンリケ・トレヴィザン(←大分)、CBとボランチをこなす木本恭生(←名古屋)、J屈指の実力を持つGKスウォビィク(←仙台)という実力者を獲得。期待の若手だったFW田川亨介、高い対人能力で“違い”を見せていたDF渡辺剛の2人が海外クラブへ移籍したのはマイナスだが、それを補えるだけの人材は確保した。

 最も注目されるのは、バルセロナの下部組織でコーチやアカデミーダイレクターを務めたアルベル監督が、これまで「堅守速攻」のスタイルだったチームに自らが標榜する「ポゼッションサッカー」を根付かせることができるか。そして、高校サッカー界を席巻したMF松木玖生(←青森山田高)がJの舞台でどのようなパフォーマンスを発揮できるのかにも注目。未知数な部分は多くあるが、それ以上の“ワクワク感”を評価したい。


■川崎「C」

 昨季も圧倒的な強さを見せてリーグ連覇を達成。過去5年で4度のJ1優勝は黄金期と呼ぶに相応しい成績だ。その“絶対王者”のオフは「必要最低限」。チームに不可欠な戦力だった万能MF旗手怜央が海外移籍し、長谷川竜也も退団した中で、切れ味鋭いドリブルで攻撃にアクセントを加えられる“タイのメッシ”チャナティップ(←札幌)とボランチとして舵取り役を担いながら1得点7アシストをマークした瀬古樹(←横浜FC)を獲得。その他、大学No. 1ボランチの評価を受ける松井蓮之(←法政大)、争奪戦が繰り広げられた左SB佐々木旭(←流通経済大)、川崎の下部組織育ちのGK早坂勇希(←桐蔭横浜大)と大学サッカー界の逸材たちを獲得。高卒選手としてもFW五十嵐太陽(←川崎U-18)、MF永長鷹虎(←興国高)と将来性のあるタレントを獲得した。

 チャナティップが補強の目玉となるが、旗手の流出を考えると戦力的には現状維持の印象が強く、査定的には高い評価を与えることができない。だが、流出の噂もあった昨季の得点王&MVPのFWレアンドロ・ダミアンの残留は非常に大きく、数年先を見据えると大卒&高卒ルーキーたちも期待できる。補強の査定は「C」だが、チーム作りのポリシーを感じさせる点は好印象。そしてもちろん、現有戦力も含めたチーム力は「A」だ。

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