プロ野球はファンなくして成り立たない。そして実際の野球人口が増えなければ、進化しない。その中で3週間以上も投げていない20歳の投手が162キロを投げ、その球を平然と打ち返していく。そんな野球の進歩も見せてくれた。第1戦の西武・山川穂高の本塁打は、これぞプロ野球選手という圧巻の当たりだった。ヤクルトの村上宗隆のスイングスピードの速さは球場で実際に見た人なら驚いたことだろう。
後半戦に入っていく。球宴でベンチで仲良く談笑していた選手が、本当の勝負に戻っていく。そんな変化も見てもらえたら、とも思う。コロナ禍でも野球の歩みを止めなかった。日本野球機構(NPB)、そして12球団の選手、スタッフの尽力に改めて感謝したい。
東尾修(ひがしお・おさむ)/1950年生まれ。69年に西鉄ライオンズに入団し、西武時代までライオンズのエースとして活躍。通算251勝247敗23セーブ。与死球165は歴代最多。西武監督時代(95~2001年)に2度リーグ優勝
※週刊朝日 2022年8月12日号