(左から)韓国のチャ・ミンギュ、中国の高亭宇、森重航
(左から)韓国のチャ・ミンギュ、中国の高亭宇、森重航
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 北京五輪が開催されている中国。SNS上は連日、韓国に対する批判のコメントであふれているという。

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「中国と韓国はかつて蜜月の仲と言われていましたが、現在は全く違います。2017年に韓国で米軍が開発した地上配備型ミサイル迎撃システムであるTHAAD(高高度迎撃ミサイル)を配備すると、中国政府が国内の旅行会社に対し、韓国団体ツアーの販売禁止を命じる報復に出ました。中国人旅行客が激減したことで韓国国内でも不満の声が高まっている。中国と韓国を巡る五輪の一連の騒動も、疎遠になった両国の関係が影響しているように感じます」(北京在住の記者)

 北京五輪の開会式が両国の「批判合戦」の発端になった。中国少数民族の一つの「朝鮮族」の衣服として「韓服」を着た女性が登場すると、韓国国内で「韓国の伝統衣装を盗むな」と怒りの書き込みが殺到した。さらに、韓国選手団が北京五輪の選手村の食事に不安を露わにしたことも波紋を呼ぶ結果に。中国のネット上で「嫌なら食べなくていいし、中国に来なくていい」、「韓国はマナーを知らない」など不快感を露わにするコメントが並んだ。

 7日に行われたスピードスケート・ショートトラック男子1000メートルでは判定を巡り、韓国の怒りが爆発する。準決勝1組で韓国代表・黄大憲は中国代表の任子威、李文竜を追い抜いて1位でゴールしたが、審判陣はビデオ判定後に、黄が特別な接触がなかったにもかかわらず、急にレーン変更をしたとしてペナルティーを与えた。任子威と李文竜が勝ち上がると、決勝でも1位で通過したハンガリーの選手に審判陣がペナルティーを科し、任子威が金メダル、李文竜が銀メダルを獲得した。この判定を巡り、韓国国内では「メダルを中国に盗まれた」と怒りのボルテージが最高潮に。韓国の保守系市民団体が首都・ソウルにある中国大使館付近で集会を開き、中国国旗を破るパフォーマンスを行った。一部のオンラインコミュニティーでは中国のアプリを使わない「不買運動」が呼びかけられる事態となった。

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