会見する羽生結弦選手(gettyimages)
会見する羽生結弦選手(gettyimages)

 だって守ることって難しいことだなって思うし、大変なんですよ、守るって。だって、家族を守ることだって大変だと思うし、何かしらの、犠牲だったり時間が必要だったりもしますし。だから、何一つ挑戦じゃないことって存在していないんじゃないかと思っていて。それが僕にとって、4Aだったりこのオリンピックというものにつながっていたり。ただそれだけだったかな、と。

 僕も挑戦をすごく大事にしてここまできましたけど、みなさんも何かちょっとでもいいから「自分、挑戦していたんだな」とか、「それって羽生結弦はこんなにほめてもらってるけど、実はほめられることだったのかな」って、自分のことを認められるきっかけになっていたらうれしいなって僕は思います。

――ありがとうございます。

 ありがとうございます。

――挑戦したオリンピックの演技を冷静に振り返って、満足度はどのくらいでしょうか。また、今の4回転アクセルができたと言っていますが、これから何をモチベーションにするのか。モチベーションを見つけていきたいという思いはありますか。

 (質問者)らしい質問ですね。ありがとうございます。まず、冷静に考えて、自分の演技がどうだったかということですが、まずSPから。ショートははっきり言って、すごく満足しています。SPは最初のジャンプをミスしてしまったり、何かしらトラブルがあったりとか、氷に嫌われてしまうことっていうか、ガポッてなったりとか、実際転倒ではなかったり、ミスにつながらなかったとしてもガポッてなることはたまになることではあるんです。でも、そのなかでもそのあと崩れずにちゃんと世界観を大切にしながら自分が表現したいことプラスいいジャンプを跳べたっていうことは、そういう点ではすごく満足しているショートでした。

 そして、フリープログラムは、もちろんサルコージャンプをミスしてしまったのは悔しいですし、アクセルも降りたかったなと正直思いますけど、でも、なんか、上杉謙信っていうか、自分が目指していた「天と地と」という物語というか、自分の生きざまっていうか。それにふさわしい演技だったんじゃないかなって思うんです。冷静に考えたとしても。

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