
作家・演出家の鴻上尚史氏が、あなたのお悩みにおこたえします! 夫婦、家族、職場、学校、恋愛、友人、親戚、社会人サークル、孤独……。皆さまのお悩みをぜひ、ご投稿ください(https://publications.asahi.com/kokami/)。採用された方には、本連載にて鴻上尚史氏が心底真剣に、そしてポジティブにおこたえします
「私は10代のころ、度々警察にお世話になり、両親に迷惑を掛けていた」と書かれていますが、ノルマンディーさんは万引きをしたことはないですか? もしあれば、経済的以外の動機も想像つくんじゃないですか? 生活の不満とかストレスとか冒険心とか、ですかね。
やっぱり、実家に帰って確かめる必要があると思います。
まずは、頻繁に帰って(無理なら兄弟と分担して)、さりげなく過ごすことをお勧めします。母親もいろいろと聞かれることは嫌でしょうから、普通の日常生活を送るのがいいと思います。兄弟に打ち明けた場合は、絶対に母親には万引きを知っていると気づかれないことが大切ですね。
実家での生活をしばらく経験してみて、母親の精神状態をどう感じるか。何も特別な感じがしなければ、父親にそれとなく聞いてみるのがいいと思います。
母親が最近なにか悩んでいることはないか、父親と母親の会話はあるのか、うまくコミュニケイトできているのか。
もし、母親の孤独や不安が原因だとしたら、母親の生活を見直す手伝いをすることも必要になるでしょう。命令するのではなく、あくまで手伝いですが。
母親が小さな世界で悶々として、生活の楽しさを見いだせてないようなら、ネットで同世代の交流会を見つけるとか、趣味のサークルを紹介するとか、気分転換の旅行や観劇に一緒に出かけるとか。
そうやって、母親が言葉にしないことにひとつひとつ近づいていくことが大切なんじゃないかと思います。
どうですか、ノルマンディーさん。僕ならこうします。