安住:キルギスにチューリップの原種が咲いているんでしたっけ。さすが学者の娘さんという感じでおもしろいなあ。

池谷:娘を利用して、親の願望をかなえたかったというところも若干あります(笑)。でも、原種を探すのは本当に大変で、現地のガイドにも、それを知っていたらガイドを引き受けなかったと言われました。

安住:野生のチューリップが咲いてるんですか。

池谷:そうです。何日も探して、最終日に、壊れそうな橋を渡った向こう側にたくさん咲いている場所を見つけたんです。それは本当に感動しましたね。当時、幼稚園児だった娘はすでにチューリップを見たことを忘れていて、親としては悲しいですが。

安住:すごいけど、小さな娘さんを連れていく旅行とは思えない(笑)。

――現在、池谷さんが51歳、安住さんが48歳。人生100年時代とすると、ちょうど折り返し地点に来ている。後半戦の青写真を、どのように描いているのだろうか。

池谷:安住さんは月~木が「THE TIME,」で、土曜日に「ニュースキャスター」、日曜日にはラジオ番組の「日曜天国」を持っていらっしゃって。相当お忙しいですよね。

安住:フリーランスで働いたほうが楽だなと思うんですけど、テレビ、ラジオがちょうど曲がり角に来ているんですよね。放送が好きで就職したので、そういう変革期にラディカルにかかわれるのは局員だなと思って、会社に残る決断をしました。先生も東大に所属しているのが、いいときと悪いときと両方ありませんか?

池谷:そうですね。総合的に見て、プラスのほうが多いなとは思います。私の場合は、教授に向いてないなあと思うことがよくあります。教授というのは管理職なので、学生のこと以外にも、入学試験や大学の運営を考えないといけない。研究費を取ってきて、自分で研究をしていた准教授時代のほうが合っていたなと思います。

◆まだまだ戦える高みを目指して

安住:私は最近、人の名前が出てこなくて。チャレンジするのも怖くなってきましたし。これって脳の衰えなんですか?

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