安住紳一郎さん(左)、池谷裕二さん (撮影/写真部・戸嶋日菜乃)
安住紳一郎さん(左)、池谷裕二さん (撮影/写真部・戸嶋日菜乃)

池谷:ああ、言っちゃったなあって。

安住:毎回、プレッシャーや自分に対する批判みたいなものを正面で受け止める覚悟、リスクを取ってお話ししてくれる池谷先生は貴重な存在です。

池谷:安住さんは番組を台本どおりにやらないですよね。「あの映像あったよね? 今流せる?」と急にスタッフに振ったりして、番組が始まってから番組を作っているような感じ。私はそれを、横でハラハラしながら、おもしろく見ているんですけど。

安住:予定調和じゃないところにおもしろさが生まれたりするんです。テレビやラジオは2年ごとに飽きられる時期がくると言われていまして。

池谷:だから番組を変えたりするんですね。

安住:ええ。まず自分が飽きて、スタッフが飽きて、視聴者が飽きるという順番だと思うので、たまに変な牽制球を投げたりして。スタッフには嫌がられたりもしますけど、意外に急な変更には気合を見せてくれるんですよ。でも渋谷の公共放送では絶対許されませんけどね(笑)。ところで池谷先生、この「パテカトルの万脳薬」は10年続いたんですか?

池谷:そうなんですよ。週刊なので、1年にだいたい50本程度掲載されて、10年経つとちょうど500回を数えるんです。それで、ぜひ誰かと対談しませんか?と編集部から今回提案をいただいたんです。

安住:お声がけいただいてありがとうございます。

◆論文1千本から連載テーマ選ぶ

池谷:私は毎朝、100~200本の論文を読むので、1週間で1千以上はチェックするんですね。その1千本の中から1本を選んで、この連載に掲載している感じです。

安住:すごいですよね。論文を読むのをサボることはないんですか?

池谷:それはないかな。最近DeepLという翻訳ソフトを使い始めたらすごく楽で、英語を読まなくなっちゃいました。実は識字障害があるので、英語を読むのに時間がかかっちゃうんですよ。

安住:共通一次試験とかどうしてたんですか?

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