巨人はここ数シーズン、毎年メジャーリーグの大物を獲得している。しかし、成功例と呼べる選手は皆無と言っていいだろう。一昨年のヘラルド・パーラ、昨年のジャスティン・スモークとエリック・テームズは米国時代の実績は十分だったが、ケガの影響やコロナ禍でのプレーということもあって苦しんだ。
今季も若手時代にプロスペクトとして将来を嘱望され、通算696安打をマークしているグレゴリー・ポランコ、14年に16勝(4敗)を挙げ、通算46勝の右腕マット・シューメーカーを獲得。ともにメジャーで結果を残しているが、近年は成績が落ちてきていることもあり「今年も失敗するのでは」という声も聞こえる。
「外国人選手は当たりはずれも多いです。また19年オフのピアース・ジョンソン、21年オフのロベルト・スアレス(ともに阪神)など、NPBで結果を出してメジャーに復帰してしまう選手も増えている。新外国人選手の補強の成功率が低く、すぐに出て行ってしまうなら自前で育てようと考えるのは当然かもしれない。ドミニカのカープアカデミーのような例もあります」(在京テレビ局スポーツ担当)
広島は90年にドミニカ共和国に野球専門アカデミーを開校。その後は規模縮小などもあったが再び注力することでサビエル・バティスタ、アレハンドロ・メヒア、ヘロニモ・フランスアなど、16年からのリーグ3連覇を支える外国人の育成にも成功した。
「以前なら中南米出身の選手とは安価で長期契約を結ぶことができた。しかしメジャーのスカウトが世界中に目を光らせるようになった。代理人も才能ある選手と若い時期から契約する場合も多く高額を要求される。予算に限りのある零細球団は手が出せなくなっている。日本では巨人、ソフトバンク、楽天など資金面で余裕ある球団にとっては有利ではないか」(巨人担当記者)
一方でデラクルーズとティマについては賛否両論が聞こえてくるのも確かだ。成長期の10代の選手を“青田買い”することへの危険性を指摘する声もある。慣れない異国の地では野球以外でも苦労することも多いだろう。日本語の教育や生活面でのサポートを球団が行っているとのことだが、グラウンド外で心配な部分は多い。