5.ペストにかからなかった泥棒4人組の秘密<4人の泥棒の酢>

 諸説あるが、最も広く知られている説によると、1628~30年にフランスのトゥールーズでペストが流行した際、4人の泥棒がペストに感染せずに泥棒を繰り返していた。

 捕まった時、司法取引により、ペストにかからずにいた秘密と交換に釈放されたとされ、その秘密が、セージ・タイム・ラベンダー・ローズマリーの4種で作られたハーブビネガーを体に塗ったり飲んだりして泥棒をしていたということだった。

 その後、ペスト対策として、「4人の泥棒の酢」(Vinaigre des Quatre Voleurs)の名で、様々なレシピのハーブビネガーが誕生したとされる。現在も、同名のハーブビネガーが販売されているほか、「7人の盗賊の酢」の名の香水もある。

 酢はルームスプレーなどに不向きだが、これを応用して、アルコールを利用して抗菌チンキを作り、除菌スプレーやエアフレッシュナー、オーガニック殺菌・殺虫剤などとしての利用が期待される。

監修/木村正典(きむら・まさのり)先生
日本メディカルハーブ協会理事。(株)グリーン・ワイズ。博士(農学)。ハーブの栽培や精油分泌組織の観察に長く携わると共に、都市での園芸の役割について研究。著書に『有機栽培もOK!プランター菜園のすべて』(NHK出版)など多数。

監修/木村正典先生
監修/木村正典先生

日本メディカルハーブ協会HP
※本記事は、日本メディカルハーブ協会HPの記事を一部改変して掲載しています