■「お母さんの怒り方には4種類ある」
他にもこんな会議議事録が残されていた。
「お母さんの機嫌の悪さについて」
娘 「お母さんの怒り方には4種類ある。(1)注意する (2)冷静に怒る (3)機嫌が悪くなる (4)爆発する。宿題をテキトーにやっていたら、またお母さんに怒られた。同じように宿題をサボっていても『注意』で終わるときと、『急に怒りだす』 ときがある。この違いは何?」
母 「冷静に注意できるのは私の機嫌がいいとき。機嫌が悪いと、叱るんじゃなくて怒ってしまう」
娘 「機嫌が悪いのはどんなとき?」
母 「ワッと怒るときは体調が悪いとき。怒っていたら『お母さん頭痛くない?』 と聞いてほしい」
娘 「それは、ムリだ! 怒ってるのに、怖い」
母 「じゃあ、イライラしてると気づいたら、『大丈夫?』って手紙を書いてみて」
娘 「わかった。それならできるかも。でも、私なりに勉強をがんばっているんだから、あまりせかさないで」
結論 「お母さんが眠いときや体調が悪いときは要注意。爆発はたまにしかしないけど、たちが悪いから気をつけよう」
娘さんのまとめに麻紀さんも笑いだす。
ホワイトボードを眺めながらお互いの言い分を見てみると、母も娘も、相手にただ腹を立ててけんかをしているのではなく、お互い「話を聞いてほしい」と思っていることもわかる。
どっちが悪いかの犯人探しをしたり、相手をもう一度責めたりするのではなく、けんかが起きたとき、それぞれがどんな行動をとるクセがあるのか、それがどう発展していくのか、お互いの感情や、うまく言葉にできない思いを詳しく聞き合っていくのが、江連家の「けんかかいぎ」なのだ。
■どうせけんかするなら「上手にしよう」
江連家のメモを読んでいると、「親が→子を叱る」という矢印がなくなって、けんかというより、お互いがそれぞれの言い分を冷静に分析していることがわかる。