今シーズン、楽天優勝へのキーマンとなる可能性があるのが“元巨人”の3選手だ。
巨人時代に2軍で打撃二冠を獲得した和田恋、同じく2軍で投手三冠となった高田萌生、そして経験豊富なベテラン炭谷銀仁朗……。石井一久GM兼任監督が自ら獲得に動いた選手たちが、監督として2年目のシーズンを迎える男にとって重要な存在となれるのか。
和田は今春キャンプ中の実戦で3本塁打を放つなど猛アピールを続けている。石井GM兼監督が田中和基とともにキャンプMVPに名前を挙げたほどだ。
高校通算55本塁打を放った和田は13年のドラフト2位で高知高から巨人に入団。プロ入り5年目の18年にはファームで104試合に出場し、打率.296、18本塁打、87打点をマークして本塁打王と打点王のリーグ二冠にも輝いた大砲だ。
「高校時代から全球団が注目していた強打者で逆方向にも長打が打てるのが魅力。(15年に行われた大学日本代表vsNPB選抜との試合では)岡本和真とともにNPB選抜に選ばれていた。2人で近い将来、巨人のクリーンアップを組むと思われていた。プロ入り後も順調に成長しており原辰徳監督も何かと気にかけていた。楽天への移籍は誰もが驚きました」(巨人担当記者)
和田は2軍では結果を残していたが1軍ではわずか出場5試合とくすぶっていた中、19年シーズン途中の7月に投手の古川侑利との交換トレードで楽天入りが決定。移籍したシーズンにはプロ初アーチを放つなどブレイクも予感させたが、トレード後の3年間は通算で31安打、2本塁打、12打点と殻を破れずにいる。プロ入り9年目の今年はキャンプから存在感を示し、ついに“覚醒”かとの声もある。巨人からのトレード後に日本ハムで飛躍した大田泰示(現DeNA)が新天地でブレイクを果たしたのも、和田と同じプロ9年目の27歳となる年だった。チームの状況的にも今シーズンはチャンスが回ってきそうだ。
「潜在能力は素晴らしい。右の強打者は浅村栄斗くらいしかいないチーム事情もある。内野全ポジションの経験があり外野もできる。捕手に挑戦したこともあるほど守備の柔軟性はある。優し過ぎる性格をなんとかできれば覚醒する可能性は十分」(在京球団編成担当)