立浪和義監督、西山秀二バッテリーコーチの新型コロナウイルス感染に伴い、キャンプ第2クールはリモートでの指導となったが、直接のコーチングとなった第3クール初日には根尾を裸足にさせての素振りを敢行。その後もハンマー投げや、剣道の面打ちの動きを取り入れるなど独自の練習がメニューに加わった。

「裸足にさせたのは下半身の使い方を意識させるため。ハンマーを使ったのはヘッドを走らせ強くスイングするため。自らの現役時代の長所や必要性を感じた部分を伝えようとしている。根尾だけでなくレギュラー定着が期待される石川昂弥、打撃に定評のあるルーキー鵜飼航丞など楽しみな素材は多い。ノリ(中村コーチ)のような球界代表する強打者が1人でも多く出てきて欲しい」(中日OB)

 そして中村コーチ同様に評価が高いのが、昨年までヤクルトでプレーした楽天の雄平コーチ。

「今日初めて現場に来られて、チームのみなさんとお話しできて本当に感動しています。身が引き締まる思いです」(雄平コーチ)

 投手から野手転向の際にひたすらバットを振り続けた時と同様、選手と真っ直ぐに向き合っている。昨年11月13日の秋季練習初日からチームに合流、身振り手振りを交えた打撃指導を行った。コーチ就任直後で選手たちとは初対面ながら、積極的にコミニュケーションを図る姿は現役時代と変わらない姿勢を感じさせた。

「今キャンプでも秋季練習と同様に実直に選手と向き合っていた。選手との対話を重視して前向きにさせるのがうまいと感じるし一生懸命さが選手にも伝わるのでしょう。自らバットを握っての指導にも熱が入っていた。現役引退直後なので選手以上に良いスイングです」(楽天関係者)

 雄平コーチは東北高時代、高校ナンバーワン左腕として02年のドラフト1位指名でヤクルトに入団。プロ入り後は投手として18勝をマークしたが伸び悩みもあり、09年オフに野手に転向。13年には右膝前十字靱帯断裂の重傷を負うなど紆余曲折もあったが、翌年に外野手部門でベストナインを受賞し、野手としてチームの中心選手にまで成長した。

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名コーチがチーム力向上のカギ?