「石原さんといえば早口でまくし立てるような演技も得意ですよね。例えば、2018年に放送された『高嶺の花』では、華道の名門の令嬢を演じていたのですが、ハイテンションで早口のせりふを言うシーンが多いのに、上手にこなしていました。ただ、これを素でやられると、見ている人は疲れてしまうでしょう。今回のMC抜擢に関しても、一部で『NHKで石原さとみのキャンキャン声はきつい』と、演技を重ねる意見もありました。さらに、石原さんは努力家としても有名で、自分に厳しくプライドも高いというイメージが強いと思います。女優としては芯があってかっこいいのですが、MCとなるとそんな意識の高さが裏目に出る可能性もあります。テンションを抑えて共演者を立てつつ、落ち着いたトーンで進行していった方がいいと思います」
■石原抜擢は見逃し配信を重視した結果!?
では、NHKがMC未経験の石原を抜擢した理由は何か。その思惑について民放バラエティー制作スタッフはこう語る。
「『ガッテン』打ち切りは、2020年に就任したNHKの新会長の意向だと週刊誌が報じていましたが、新会長は就任時に『NHKを本気で改革する』と言っており、石原さんの起用に関しても新会長の“若返り”という強い意向があったと見るべきです。4月からNHKは、24時間インターネットでリアルタイム配信をすると発表しましたが、同時に見逃し配信も解禁します。民放では見逃し配信のタイムシフト視聴率を重視しつつありますが、NHKも若年層による見逃し配信での視聴率アップを狙い、石原さんを起用したのではないでしょうか」
TVウオッチャーの中村裕一氏は、石原のMC就任についてこう分析する。
「石原さんの『芯が強そう』というイメージは、あくまでも役のキャラクターであったり、出演番組での断片的な印象にすぎません。確かにMCにはスタジオで起こっていることや、出演者の言動など隅々まで目を配るスキルが求められますが、それは明石家さんまさんや中居正広さんレベルの話。ポイントは生活情報番組であるところで、彼女ならより視聴者目線に近いリアクションをみせてくれるでしょうし、視聴者が疑問に思っていること、気になっていることをズバッと聞いてくれそうです。今までにない化学反応が起こることに期待したいですね」
注目度が高いNHKの新番組で、石原がどんなMCをみせてくれるのか、4月が楽しみだ。(丸山ひろし)