今後、ドネツクとルガンスクはどうなるか。承認しているのはロシアだけ。パトロンもロシア。ロシアがいないとまったく存続できない「国」です。問題はロシア自体の存亡があやういこと。今回の紛争、軍事的にはウクライナが圧倒的に不利ですが、だからと言って最終的に「ロシアが勝つ」状況は考えにくい。国際社会が絶対にロシアを許さないでしょう。国際銀行間通信協会(SWIFT)からの排除などの結果、ロシアは国家の体をなさなくなるかもしれない。未承認国家まで支える状況ではなくなってくる。そうなったとき、彼らがウクライナの主権下に戻るのか、それとも自力でやっていけるのか。行く末は、すべてロシア次第だと思います。
(構成/編集部・小長光哲郎)
※AERA 2022年3月14日号