3月3日のロッテ戦で、12球団の新人では一番乗りとなるバックスクリーンへの1号アーチを放った勝俣は、同6日の巨人戦でも、4回2死、菅野の148キロ速球を右中間席に運び、1対0の勝利の立役者に。「テレビで見ていた投手から打てたのは、自信につながる」とシーズンでの活躍を誓った。
ところが、コロナ禍により3カ月遅れでシーズンが開幕すると、プロ初打席から7打席連続三振と快音が聞かれない。
10月15日のソフトバンク戦も、2ストライクからハーフスイングを取られ、ついに野手では歴代ワースト2位タイの8打席連続三振でシーズンを終えた。
雪辱を期した昨年も、2年続けて練習中に右目眼窩底を骨折する不運から1打数無安打と結果を出せず、戦力外通告を受けた。
アマ時代の実績を考えれば、このまま終わるような選手ではない。今季は巨人と育成契約し、心機一転3年目の開花に賭ける。(文・久保田龍雄)
●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍「プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。