「プロへは出版社の新人賞受賞が近道。賞の締め切りから逆算して教室で作品の講評を受け、何度も書き直します」

 創作活動には、男性が話すように大量の時間が必要だが、教室にはハードワークと両立しながら、プロになった人が少なくない。どんなに忙しくても、モチベーションがあれば学び続けられることの証左だ。

 一方で執筆のため、早期退職した人から男性が聞いたのは「いつでもできると思うと、むしろ書けなくなった」という事実。勉強時間が有限であるほうが、はかどることもあるのだ。

 仕事を優先して、夢に挑むのを先延ばしにしてきた男性も、現状をこう例える。

「作家になるという宿題を抱えた夏休みの、今はお盆を迎えてしまったころかと。7月から宿題に取りかかる優等生じゃなかったので、遅いスタートですが、これからが濃密に目標に向き合える期間だと認識して、仕事と両立しながら、腕を磨いていきたい」

 大人が学ぶとき、時間は有限だが、何をどう勉強するかは、学生時代に比べ自由だ。その強みを生かし、人生の選択肢を広げるチャレンジをしたい。(ライター・三宮千賀子)

AERA 2022年3月21日号より抜粋

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