
ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のフルフルくんです。
【写真】こんな姿見たことない! 枯れ葉をやさしく抱えて立ち上がる猫
* * *
ある日、夫が言った。「犬を飼おう。最後のプレゼントだ」
昔は子育てをし、働きながらダックスフント、ヨーキー(ヨークシャーテリア)、アヒル3羽を飼い、にぎやかな生活だった。
子供たちが成人して母と義母を見送り、夫婦2人になった時はもう子犬を飼う年齢は過ぎていた。あきらめていたが、夫の言葉でにわかに目の前が広がった。
さっそくネットで物色。お目当てのヨーキーは最近はやっていないらしく、遠くのペットショップまで出かけていった。
その子は他の子に比べて大きく、もう4カ月になっていた。しかし私たちは気に入って即決。ワクワクして帰途についた。
「子犬を飼うことにした」と言うと周囲は、「その年で!」「どうせなら保護犬のほうがいいのに!」。
そんな反応にもめげず、2人と1匹の生活が始まって4年。もはやフルフル(写真、雄、4歳)のいない暮らしは考えられず、完全な犬バカと相成った。
フルフルというのは、以前飼っていたヨーキーの名を踏襲した。そもそも昔はやったシャンソンの曲名で、風にそよぐ葉擦れの音、ドレスのきぬ擦れの音。
ヨーキーは床まで届く柔らかい毛が優雅な犬種。でも初代の子は、わが家が一番忙しかった時代で、お隣のお兄ちゃんに「ボロ雑巾」と言われていた。ごめんよ。
それに引きかえ、2代目は朝からベッドで全身マッサージ。フルフルはとろんとした瞳でなすがまま。
夫も「男前だねえ」と、子も孫も私も知らなかった優しい声を出す。私たちは、この子のためにも元気でいたい。(横浜市港北区/87歳/主婦)
【原稿募集中!】
「犬ばか猫ばかペットばか」では、みなさまからの原稿をお待ちしております。
原稿は800文字程度で、ペットのお写真を添付のうえ、下記メールアドレスまでご送付下さい。
必ず名前、住所、年齢、職業、電話番号のご記入をお願い致します。
尚、掲載は本コーナー(外部配信含む)と「週刊朝日」の誌面となります。謝礼は6千円。
mypet@asahi.com
※著作権は本社に帰属します
※週刊朝日 2022年3月25日号

