プロ野球が3月25日に開幕する。各メディアでプロ野球解説者がセ・パ両リーグの順位予想をする企画が見られるが、過去の同様の企画をみると的中率は高いとは言えない。
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昨年はセリーグがヤクルト、パリーグはオリックスがリーグ優勝を飾ったが、両球団の優勝を的中した解説者は見当たらなかった。セリーグの首位予想は巨人、阪神が多く、パリーグは大半の解説者が5年連続日本一を目指すソフトバンクを挙げていた。ヤクルト、オリックスは前年まで2年連続最下位に低迷していたため、優勝どころかAクラス予想さえ皆無に近かった。
だが、勝負事は何が起きるか分からない。ヤクルトは投手陣が不安材料だったが、高津臣吾監督の手腕で強力救援陣を形成。奥川恭伸、高橋奎二などイキのいい若手が台頭し、シーズン終盤で巨人、阪神との三つどもえから抜け出して頂点に立った。一方、オリックスもプロ2年目左腕・宮城大弥が13勝4敗、防御率2.51、打つ方ではプロ5年間で計9本塁打と伸び悩んでいた杉本裕太郎が打率.301、32本塁打、83打点と大ブレーク。不動の4番で本塁打王を獲得した。青山学院大の後輩で2年連続首位打者を獲得した3番・吉田正尚と打線を牽引し、25年ぶりのリーグ優勝に導いた。
一方でリーグ3連覇を狙った巨人は8月まで好位置につけていたが、9月以降は投打がかみ合わず10勝25敗8分と大失速。CS圏内の3位を死守するので精いっぱいだった。優勝候補の大本命だったソフトバンクは千賀滉大、東浜巨、森唯斗など故障者が続出。中村晃、今宮健太、松田宣浩が打撃不振で貧打に苦しむなど最後まで波に乗り切れず、4位とCS進出も逃した。
スポーツ紙記者は、戦前の順位予想の的中が難しい理由をこう指摘する。
「解説者の方々は現在の戦力値から計算するので、主力選手の故障や不調を予想に織り込むのが難しい。巨人はエース・菅野智之があそこまで苦しむと思わなかったし、ソフトバンクも主力にあれだけ故障者が出るのは想定外だった。大ブレークする選手を当てるのも難しい。失礼ですが杉本は30歳になって覚醒することは想像できなかった」