腹膜透析の遠隔モニタリングは睡眠中に機械が自動で透析液を交換するAPD(自動腹膜透析)という機器についている装置です。この装置と主治医の病院は24時間、365日、サーバーでつながっているのです。
医師や看護師は病院のパソコンで患者さんの透析状況がうまくいっているかどうか、オンラインでチェックできます。また透析の種類や透析液の量を遠隔操作で主治医が設定できるほか、透析のカテーテルが詰まったらアラームサインが出るので、電話などですぐに様子を確認できます。これは患者さんの安心感にもつながると評判です。患者さんが体重や血圧のデータを装置に入力できれば、ノートに記録する必要がなく、外来でかかる時間を減らすこともできます(つまり、医師、患者双方にメリットがあります)。
これまでも一部の病院がこの仕組みを使っていましたが、4月から診療報酬がつくことで、積極的に取り組むところが増えてくると思います。
このように腎代替療法は血液透析だけではありませんので、「そろそろ考えたほうがいいですよ」と言われた患者さんは必ず、複数の治療法を聞いた上で、自分にとって最適な方法を選んでください。
「今の治療でいいのだろうか」と疑問を持っている人も、相談しましょう。
相談先は腎代替療法選択外来を持っている病院、またはこの分野の専門である腎代替療法専門指導士の資格を持つ医療スタッフがいる医療機関をおすすめします。主治医に紹介してもらえれば理想的です。一人でも多くの患者さんが、納得のいく選択をしてくれることを願っています。
人工透析の治療実績については、週刊朝日ムック『手術数でわかるいい病院』で、全国の病院に対して独自に調査をおこない、実績ある病院を掲載している。特設サイト「手術数でわかるいい病院」で無料公開しているので参考にしてほしい。https://dot.asahi.com/goodhospital/
(文・狩生聖子)