16年に黒人俳優ウィル・スミスが授賞式をボイコットしたことも変革のきっかけになった。彼は今回「ドリームプラン」で主演男優賞を受賞。だが授賞式で妻に侮辱的な発言をしたプレゼンターをビンタし、その騒動が大きくニュースになった。
ともあれ白すぎるオスカー批判を受け、アカデミー会員の構成は大きく変化した。女性が1446人から3179人と全体の34%に増え、白人以外の会員が554人から1787人(19%)、外国人も747人から2107人(22%)に増えた。これにより、国際長編映画賞だけでなく作品賞にも非英語作品がノミネートされるようになった。
「20年の作品賞をポン・ジュノ監督の『パラサイト 半地下の家族』が獲(と)ったことはまさに歴史的な転換点でした。会員比率が変わる前のアカデミー賞では考えられなかった。『ドライブ~』の日本初の作品賞ノミネートはパラサイトがこじ開けた穴に流れとしてうまくハマったこともあると思います」(同)
(フリーランス記者・中村千晶)
※AERA 2022年4月11日号より抜粋