◆難関大出身者のチャンネル人気

(週刊朝日2022年4月15日号より)
(週刊朝日2022年4月15日号より)

 スマホとの付き合い方はどうか。

 すっぱり「スマホ断ち」したのは8%、「制限を設けた」のは15%と、それぞれ少数派にとどまった。「普段通り利用した」が76%にのぼった。1日の利用時間は「1~3時間」が最も多く、全体の約4割(235人)を占め、「3~6時間」も約2割(112人)いた。

 使い方としては「考えても分からないことがあったら、調べる。大抵のものは出てくる」(灘、理三)、「英単語や古文単語を調べる」(福岡、理一)といった声があった。学習アプリを利用していた人も多く、「端末に保存した問題集やリスニングのデータへのアクセス」(筑波大附駒場、理一)、「一問一答アプリ」(女子学院、理二)などの答えが見られた。

 役に立ったアプリで最も名前が挙がったのがYouTube。「ゲーム動画で時間を決めて息抜き」(岡山大安寺中教、理一)、「外国の動画を見た」(広島学院、理一)など多くが気晴らしに活用していたが、「YouTubeで4時間勉強した後30分休憩のスパンを3周した」(浅野、理一)など、日々の勉強に取り入れているケースも。学びを深めたり、志望校へのモチベーションを高めたりと、合格者たちは自身のプラスになる使い方を見いだしていたようだ。

(週刊朝日2022年4月15日号より)
(週刊朝日2022年4月15日号より)

 好きなYouTuber(チャンネル)で最も人気があったのがヨビノリ(予備校のノリで学ぶ「大学の数学・物理」)で、38人が挙げた。創設者のたくみさんは東大大学院修了者で、微分積分、量子力学など理系科目の解説動画を数多く投稿している。ほかに大阪大学基礎工学部出身の男性2人組「はなおでんがん」や、ベテランち、河野玄斗など、東大や難関大学出身者に票が集まった。

 SNSの活用者も多い。Twitter(ツイッター)で「入試の情報を手に入れたり、他の東大志望の人の考えに触れてモチベーションを保った」(東葛飾、理一)、「周りの受験生の話を聞くことが心構えを醸成したし有益な情報収集にもなった」(岡山大安寺中教、理一)といった答えがあった。

 LINEは主に連絡用に使われていたが、「オープンチャット機能でガチプロ(勉学に熱心に取り組む東大生)に質問してみる」(筑波大附駒場、理二)のように、志望校に通う先輩に接触する手段として活用していた人もいた。

(週刊朝日2022年4月15日号より)
(週刊朝日2022年4月15日号より)

 尊敬する東大出身者で最も票を集めたのは、東進ハイスクール講師の林修さん(33人)。東進の講師陣からは「物理界のカリスマ」と称される苑田尚之さんも5位(22人)に。クイズ番組「東大王」出身者の人気も根強く、伊沢拓司さん(30人)や21年3月に番組を卒業した鈴木光さん(10人)らの名前が挙がった。ピアニストの角野隼斗さんは1995年生まれの26歳。受験生と年齢が近く、憧れの対象になりやすいのだろう。(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2022年4月15日号