一方、打者・大谷についても期待が持てそうだ。3月26日に行われた敵地でのシカゴ・ホワイトソックス戦に「1番・指名打者」で出場した大谷は、試合開始直後に初球先頭打者本塁打を放っている。オープン戦1号は大きなアーチを描き、右中間スタンドに吸い込まれた。そんな大谷だが、今年はエンゼルスのリードオフマンとして出場する可能性が高そうだ。『MLB.com』は3月27日の記事で、マドン監督がそう起用する方針であることを伝えている。今季は、引き続き投打の“リアル二刀流”での出場で、試合開始直後から大活躍する姿が早くも目に浮かぶ。
サンディエゴ・パドレスでの2年目を迎えるダルビッシュ有もまた、2年連続で開幕投手を務める。3月22日のパドレスの公式ブログ『フライヤー・ワイヤー』は、「パドレス開幕投手はダルビッシュとジョー・マスグローブのいずれかになる」とボブ・メルビン監督が話したと伝えていた。パドレスの開幕投手の座は、ダルビッシュが勝ち取った。
ダルビッシュは、3月21日に行われたコロラド・ロッキーズとの今年のオープン戦初となる登板で3回を投げ、6奪三振3安打無失点。続く27日に行われたクリーブランド・ガーディアンズとのオープン戦では、4回4奪三振2安打1失点を記録。最速は97マイル(約156キロ)をマーク。いずれの試合もエース級投手にふさわしい好成績、好パフォーマンスである。そんなダルビッシュを、前出のロブ・フリードマン氏は「今季のダルビッシュも素晴らしい。特にスライダーとカーブは最高です」と高く評価している。パドレスのエース投手として大きな期待を背負うダルビッシュが今季どれだけチームを引っ張っていけるかに注目したい。
大谷とダルビッシュに次いで注目したいのは、メジャー1年目の鈴木誠也とピッツバーグ・パイレーツ2年目の筒香嘉智だ。
3月18日、ポスティングシステムを利用して、5年8500万ドル(約101億2000万円)という大型契約でシカゴ・カブスへ移籍した鈴木誠也だが、ここにたどり着くまでには、長く苦しい道のりもあった。冒頭にも記したように、MLBは新労使協定をめぐる労使交渉の影響で12月2日からロックアウトに突入。それまでに行っていた移籍交渉は全てが中断。オフ中はボストン・レッドソックスやサンフランシスコ・ジャイアンツなど複数の球団が獲得に乗り出すと報じられ、その行き先は全米のメディアの注目を集めた。ロックアウトが明けるまでの約3カ月間、じっと待ち続けた鈴木が出した答えが、カブスへの入団だった。入団が決まった直後、地元メディア『スポット・オン・イリノイ』は、「カブスは鈴木誠也と契約を結ぶという大成功を収めた」と大喜びの様子で報じている。