「元気なときのために積み上げた資金に『介護だから、あといくら必要』と思うから負担が大きく感じるんです。そうではなく、元気だったら楽しいことにお金を使うし、元気でないのなら、それが介護の費用になると考えればいいのです」

 生きている限り、生活に潤いを与えるお金は必要。リタイア前にマネープランをしっかり作り、とりわけ旅行や趣味、家具・家電の買い替えなど、「潤い資金」でまとまったお金が出ていく項目を綿密に洗い出しておけばいいと鈴木さんは言う。

「これらは人生を快適に過ごすために使うお金です。でも、介護になると使えません。だから、そういうお金を介護に回していけばいいのです。最初からプランに入れておくと、使い道が変わるだけと納得できます」

 工夫しだいで費用は賄えていく。もちろん最大の自助努力は健康を保って介護にならないことだ。そして「PPK(ピンピンコロリ)」で旅立てれば、介護費用はゼロですむ。今回取り上げた試算や手法を参考に、納得のいく準備をして80歳を迎えてほしい。(本誌・首藤由之)

週刊朝日  2022年4月22日号

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