浅野:塚田さんはとても礼儀正しい、しっかりした方だなと思います。
林:ジャニーズはとりわけ、礼儀に厳しいみたいですね。ご主人も見に来るとおっしゃってます?
浅野:おそらく一回は来てくれると思います。
林:ご主人、舞台を見て何かおっしゃるんですか。あそこはこうしたほうがいいとか。
浅野:いや、そういうことは言いません。あまり感想も言わないですね。「ちょっと貫禄出すぎ」っていうのはよく言われます(笑)。去年「魔界転生」という舞台に出演させていただいたのですが、態度が大きいらしいです(笑)。
林:この熱海五郎一座が終わったら、もう次のお仕事が待ってるんですか。
浅野:今年は舞台が続きまして、夏に明治座で水木しげる先生・生誕100年記念で、「ゲゲゲの鬼太郎」が舞台化されて、そこに出させていただくことが決まってます。
林:「ゲゲゲの鬼太郎」に? 浅野ゆう子さんがやるようなきれいな妖怪なんかいないじゃないですか。まさか、「砂かけばばあ」とか?
浅野:「砂かけばばあ」、やりたいですねえ(笑)。私、むしろ希望したいくらいです。
林:浅野さんって正統派の美人女優さんなのに、ときどき変な役をやりますよね。「ウソでしょ?」みたいなおもしろい役。
浅野:好きなんです。
林:美しい人でもコメディエンヌの才能がある人がまれにいて、私、前にこまつ座とかですごく変な役をなさってるのを見ましたよ。
浅野:コメディーは好きですし、勉強していきたいと思ってます。それもあって、三宅さんのライトな、軽い笑い、東京喜劇を勉強させていただきたくて。
(構成/本誌・直木詩帆 編集協力/一木俊雄)
浅野ゆう子(あさの・ゆうこ)/1960年、兵庫県生まれ。74年、「とびだせ初恋」で歌手デビュー。80年代後半から女優として活動、「抱きしめたい!」「ハートに火をつけて!」などで大ブレーク、トレンディードラマの女王と呼ばれた。映画「藏」で日本アカデミー賞最優秀主演女優賞を受賞。近年は「ハムレット」「細雪」など、舞台にも多数出演。来月、「熱海五郎一座」の舞台「任侠サーカス~キズナたちの挽歌~」(新橋演舞場 5月29日~6月26日)への出演が控える。
※週刊朝日 2022年4月29日号より抜粋