「自らの首をきゅっと締め上げ、高い視点で遠くを見よう」
そんなコンセプトの斬新なデザインのネクタイは、見ていて刺激的だ。
「デザイナーは現在私1人ですが、16年もネクタイひと筋でやってこられたのは、生地を織る職人さんたちから教えてもらい、学べたからだと思います」
これまで企業とのタイアップでは、スヌーピーミュージアムや藤子・F・不二雄ミュージアムの制服、東京スカイツリーのネクタイなども手掛けている。また、ロッテのチョコレートやマルマンスケッチブックなど、日常で目に留まる柄からネクタイのデザインを起こし、自ら企業にアピールして商品化したという。
その行動力は中村さんの大きな武器。スーツ全体の一部分でしかないネクタイが、自身の世界をさらに大きく、どこまでも広げていく。(ライター・金田千里)
※AERA 2022年8月1日号