現在のオセアニアを代表する女性ジョッキーはオーストラリアのジェイミー・カー(26)。両親はスピードスケートの五輪代表というアスリート一家出身で、12年にデビューすると瞬く間に白星を重ね、14年には早くもG3ヴィクトリアハンデキャップをシスティンデーモンで制して重賞初勝利を手にした。
その後もサウスオーストラリア州のメトロポリタンにおけるリーディングジョッキーに輝くなど活躍を続け、19年にメルボルンへ拠点を移すとハーレムに騎乗したオーストラリアンスカップで待望のG1初制覇を達成。昨年も短距離王ネイチャーストリップでG1ブラックキャビアライトニングを制すなど、豪州屈指の名ジョッキーとなった。
ただし8月に新型コロナウィルスの感染拡大に伴うロックダウン規定違反と、それにともなう虚偽証言で5カ月の騎乗停止処分を科される大失態。それでも復帰後は変わらぬ手綱さばきを見せ、今年3月には芝のマイル戦として世界最高賞金の総額500万豪ドル(約4億4000万円)を誇るジ・オールスターマイルをザーキで制して名誉挽回している。
欧州ではホリー・ドイル(25、英国)が現在活躍中だ。両親ともジョッキーだったドイルは2019年に年間116勝をマークし、ジョセフィン・ゴードンが2017年に達成したイングランド女性騎手年間最多勝記録(106勝)を更新。20年には英G2プリンセスオブウェールズステークスをデイムマリオットで制して重賞初制覇、そして20年10月にはグレンシールに騎乗してG1英チャンピオンズスプリントステークスを勝利した。女性騎手が英国の平地G1を勝ったのは史上3人目の快挙だった。
フランスでは日本でもおなじみのミカエル・ミシェル騎手(26)が、2018年にフランスにおける女性騎手による最多勝記録を更新する72勝をマーク。19年には札幌競馬場で行われたワールドオールスタージョッキーズで白星を挙げたほか、20年には短期免許で南関東の地方競馬にて騎乗し、通算30勝を挙げた。20年にはイタリアでG3カルロダレッシオ賞を勝って重賞初制覇も達成している。