19年に仏リーディング13位となる71勝を挙げたコラリー・パコー(23)も今後が楽しみな女性騎手。20年には落馬負傷した藤田に代わってサウジアラビアでの騎手招待競走「インターナショナル・ジョッキーズ・チャレンジ」に参戦した。ちなみに日本で活躍したオリビエ・ペリエ騎手の娘、メガーヌ・ペリエも20年にプロデビューして初騎乗初勝利を挙げている。

 アメリカでは1980年代から2000年代前半にかけて大活躍したジュリー・クローンが女性ジョッキーの代表的存在。93年のG1ベルモントステークスでコロニアルアフェアーに騎乗して女性としては初めて米クラシック制覇を達成すると、落馬負傷による引退表明と復帰を経た2003年にはハーフブライドルドでブリーダーズカップジュベナイルフィリーズを制し、こちらも女性初のBC勝利となった。通算勝利は3704勝、2000年には女性初の米競馬殿堂入りと、まさに伝説的な活躍だった。

 2000年代から2010年代にはカナダ出身のシャンタル・サザーランドが活躍。2001年にカナダの最優秀新人賞を獲得したサザーランドはやがてアメリカでも騎乗し、2011年にはゲームオンデュードでG1サンタアニタハンデキャップとG1グッドウッドステークスを勝ち、G1ブリーダーズカップクラシックでも2着に入った(勝ち馬は元恋人のマイク・スミスが騎乗したドロッセルマイヤー)。

 翌12年には同馬で女性初のドバイワールドカップ騎乗(結果は12着)。17年にはカナダ出身の女性騎手では史上初めて通算1000勝を達成した。また彼女はモデルやタレントとしても成功を収めている。

 現在のアメリカにおける女性ジョッキーの第一人者はソフィー・ドイル(35)だろうか。ゴドルフィンの主戦として欧州で活躍するジェームズ・ドイルの姉でもあるソフィーはアメリカに拠点を移してから頭角を現し、これまで通算400勝以上。19年にはストリートバンドでG1コティリオンステークスを制した。いまは妊娠中のため休業しているが、復帰後の活躍には大いに期待したい。(文・杉山貴宏)

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