DJが自分の手元でマイクのオンオフの切り替えをするためのスイッチ、「カフ」。英語では[cough button]。つまり、DJがcough、咳をする時に、オンエアに乗らないように一時的にオフするためのもの(写真:著者提供)
DJが自分の手元でマイクのオンオフの切り替えをするためのスイッチ、「カフ」。英語では[cough button]。つまり、DJがcough、咳をする時に、オンエアに乗らないように一時的にオフするためのもの(写真:著者提供)

 つい「◯◯で~」「◯◯だから~」と次から次へとつなげていく話し方をしていませんか。

 文章を書くときにもよく言われる注意点ですね。私も子どもの頃、作文で「朝起きて、学校に行ったら、給食がおいしくて、おかわりしようとしたらジャンケンになって……」とひたすら「、」でつなぎまくって直された思い出があります。

 ラジオDJの駆け出し時代も、自信のなさから、「アレもコレも」と話の内容をどんどん付け足してダラダラと長くなり、「で、結局何を言いたいのか?」とよく怒られたものです。

 そんな日々から月日は流れました。今でも自分の放送を聞き直しては「こうすればよかった!」というポイントは色々ありますが、客観的に「わかりやすかった」「聞きやすかった」と思えるのは、やっぱりほどよく「。」を入れて話せたときです。

 例えば、「昨日は茅ヶ崎の実家に帰りました。」「ここで湘南の話題です。」「今年もイルミネーションが始まりましたね。」と。

 活字で目にするとなんてことないように感じますが、それはいまあなたが自分のスピードで文字を追い、理解したから。

 会話では当たり前ですが、テロップなしの声だけ。しかも話す人特有のスピードで、いきなり長い文章を話されたらどうでしょう。「ちょ、ちょっと待って!」と聞き手には大きな負荷がかかります。

 だからこそ、話はじめは特に意識して「。」を増やし、簡潔に言い切る。相手が話の内容を受け取る際の負荷も、理解度も大きく変わってきます。

 何はさておき、短い一文で始めれば、「これからこんな話をしますよ」という全体像を相手に掴んでもらいやすくなります。

 相手も「そんな話をするのだな」と聞く準備ができて、続く話の内容を受け取りやすくなります。しかも一文一文が短い話であれば、「まあ、あと少し聞いていてもしんどくないか」と聞く耳を持ってもらえるのです。

「あの人の話ってわかりやすいよね」と感じる人がいたら、それは「何の話?」「この長い話、どこまで続くの?」など余計なストレスがかかっていないということ。

 今度話を聞くとき、その人が挟んでくる「。」の数を気にしながら耳を傾けてみてください。「短く言い切ってるな!」と気づくはずです。

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一文ごとに、お互い、ひと息