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■一文ごとに、お互い、ひと息

 リスナーからいただくメールを読む際も、長ーい文章だと、主語と述語がどう対応しているのかわかりづらくなり、理解するのに脳がテンヤワンヤです。とくに、生放送中、初見で声に出して読んでいくときは、文面からリスナーが言わんとしていることを頭に留めながら、書かれている言葉を自分の頭の中で再構築していきます。

 そのとき、内容を理解するために、「ええと、つまり、さっきのアレとつながってくるってこと……?」と考えながら、その場で言葉を入れ替えたりつなぎ合わせていくのですが、声は冷静を保ちつつ、頭の中では冷や汗。読みながら「次は何を話すんだっけ?」と、意識が迷子になってしまうこともあります。

 例えばラジオで「最近恥ずかしかったこと」がテーマのとき。こんなエピソードを聞かされたら、どうでしょう?

<昨日、近所のスーパーに行ったら、新商品のヨーグルトの試食販売をやっていて、『今こそ、免疫力アップ!』なんて言われたらすごく気になって、ちょっと試食してみたら、そのお姉さんがまあマシンガントークで、いろんな種類を次から次へと渡してくれて、断るに断れずで、モグモグ食べていたら、近所の奥さんが通りかかって、挨拶したんですが、恥ずかしくなっちゃって、思わず『これ、おいしいですよー』なんて私まで宣伝しちゃって、参りましたよ!>

 ちょっと極端な例ではありましたが、「この話、いつ終わるんだ!?」とつっこみたくなりますね。もちろん息継ぎはしますが、最後まで、ひとつの文章なのです。

 こうした「。」のない文は、読んでいても疲れます。ましてや声だけの場合、大量の情報を一気に伝えられると、それを頭で処理しながら話を聞かなければいけません。よほど興味がなければ、集中力が切れて追えなくなってしまいます。

 仕事や家事をしながら聞いてもらうラジオ。こんな調子で話を続けたら、「何を言っているのかわからない」とそっぽを向かれてしまいます。悲しいかな、DJの声はただのノイズに。

 では、意識的に複数の短めの文に区切ってみるとどうでしょうか。

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断然伝わりやすく!